高齢ドライバーの事故を防ぐには

高齢者が運転する車の事故が続いています。相次ぐ事故の背景には何があるのか。事故を防ぐにはどうすればいいのか考えたいと思います。

まず死亡事故件数の推移をみてみると、死亡事故自体はこの10年間で半分近くに減っています。

一方、75歳以上の運転者による死亡事故に占める割合をみると10年前から年々増えています。

高齢化が進み75歳以上で免許を持っている人も10年前と比べると2倍になっているので、事故が減らないという側面もありますが、相次ぐ高齢者の事故をみるとやはり深刻な事態です。

年齢を経るにつれて、視力が悪くなったり、咄嗟の動作がうまくできなかったりすることはよくあります。さらに同時に2つのことができなくなったりすると認知症が疑われるケースが出てきます。

高齢ドライバーの事故を防ぐため、警察は特にこの認知症への対策を強化しています。来年3月には改正された道路交通法が施行されます。それによると75歳以上の人が運転免許を更新する時には認知機能検査を受けることになっていて、認知症のおそれがあるとされた人は、医師の診断が義務付けられます。そして認知症と診断されれば免許取り消しになります。さらに信号無視など一定の違反をしたときは、臨時に認知機能検査を受けなければなりません。

つまりこれまでより厳しくなるわけです。

ちなみに高齢者が主にどんな交通手段に頼っているか調べると、三大都市圏では75歳以上の交通手段は自動車がおよそ34%であるのに対して地方都市圏は52%に上っています。
地方では過疎化に伴って鉄道やバスの路線廃止が続いているため、高齢者が車に頼らざるを得ない事情があるのです。

 

ではどのような対策が求められるのでしょうか。


病院や買い物など日常生活の足として欠かせない車の代わりになるコミュニティバスや乗り合いタクシーの整備が進んでいます。同じ目的地に向かう人を途中で乗せながらほぼ決まったルートを走るのが乗合タクシーです。

こうした取り組みを積極的に支援する対策が求められます。